世界遺産の名前が、資料ごとに違うとき
同じ場所なのに、国際機関の資料と現地の公式サイトで表記が違うことがあります。どちらを採るかの順序を決めた経験を書きます。
何が起きるか
沖縄の世界遺産を扱ったとき、施設名の英語表記が資料によって違うという問題に何度も当たりました。国際機関の登録資料に書かれている綴りと、その施設を運営している団体が自分のサイトで使っている綴りが、一致しないことがあるのです。
どちらも公的な資料です。片方が間違いというわけでもありません。登録資料は登録時点の表記であり、運営団体の表記は現在使っているものだからです。ただ、文章を書く側は一つに決めなければなりません。
優先順位を先に決める
そこで、迷ったときに参照する順序をあらかじめ決めました。
- ① その施設の運営者・自治体・文化庁など、当事者が自ら書いている英語表記
- ② ①が見つからない場合は、国際機関の登録資料および諮問機関の評価書の表記
- ③ どちらも無い場合は、方針を明示したうえでこちらで決める
この順序にした理由は単純で、その名前を名乗っている当事者の表記が最も強いと考えたからです。国際機関の資料は権威がありますが、施設名については当事者の自称が優先すると判断しました。
そのうえで、登録資料側の綴りも捨てずに併記できるようにしました。検索でたどり着く人は登録資料の綴りを使うことがあるためです。採用しなかった表記を消してしまうと、その人が来られなくなります。
運用で気づいた癖
- 同じ意味の語が二重になった表記が公式資料に混ざることがある(城を意味する語が重なる、など)。当事者表記であってもそのまま採用してよいかは考える余地がある
- 現地の公式サイトが、証明書の設定不備などで取得できないことがある。取得できなかったという事実を記録しておかないと、後から「調べていない」のか「調べたが取れなかった」のか分からなくなる
- 国際機関のサイトは、自動での取得を拒否する設定になっていることがある。人が開けば見られるので、リンク先として案内するには問題ないが、機械的な確認は当てにできない
このページからリンクしている国際機関の資料は、自動取得が拒否されるため、機械での到達確認ができません。ブラウザで開いてご確認ください。
一次資料
- UNESCO World Heritage Centre - 琉球王国のグスク及び関連遺産群(登録番号972) 確認日: 2026-07-31 自動取得は拒否される(機械での到達確認は不可)
この記事の元
この記事は、沖縄の世界遺産を扱った書籍の制作で実際に起きたことから書き起こしています。 一般論としての資料解説ではなく、この運営で当たった範囲のことだけを書いています。