特定商取引法の表記を、裏取りの材料として読む
通販ページの下のほうにある、あの表です。掲載する店舗が実在するかを確かめるとき、意外に役立ちます。
その資料は何か
インターネットで商品やサービスを販売している事業者には、特定商取引法にもとづく表記を掲示する義務があります。通販サイトの隅にある「特定商取引法に基づく表記」というページがそれです。
そこには、販売事業者の名称、所在地、連絡先、責任者、支払い方法、返品の条件といった項目が並びます。買う側のための情報ですが、買わない側にとっても使い道があります。
店舗情報の裏取りに使える
観光ガイドで店を紹介するとき、いちばん困るのは「その店が今も営業しているか」「公式に名乗っている情報はどれか」の確認です。飲食店や物販店は閉店・移転が多く、まとめサイトの情報は古いことがあります。
実際にあった例では、ある店について現地で店頭を確認したうえで、その店が運営している通販サイトの特定商取引法の表記も突き合わせました。現地確認は「今そこにある」ことの確認で、特商法表記は「事業者として何を名乗っているか」の確認です。性質の違う2つの確認を重ねたことになります。
この表記が役に立つのは、事業者自身が法的な義務として書いているからです。第三者のまとめではなく、当事者が名乗っている情報という点で、確からしさの階層が違います。
何が分からないか
- 実店舗の営業状況は分からない。 表記にあるのは事業者の情報で、店舗の営業時間や定休日ではありません
- 更新されているとは限らない。 移転しても表記を直していないことがあります
- 表記が無いこと自体は、直ちに問題を意味しない。 通信販売をしていなければ掲示の対象になりません。表記が無い=怪しい、と短絡しないこと
3つめは特に注意しています。「表記が無い」を根拠に何かを判断しない。当サイト自身、直接の販売をしていないため、この表記を設けていません。設けていないことに理由がある、という状態は普通にあります。
使うときに気をつけていること
この表記には、個人事業主の場合、自宅の住所や本名が書かれていることがあります。法令上の義務として書かれているものですが、それを観光ガイドに転記する必要はありません。
当サイトの運用では、特商法表記は「確認に使う」だけで、そこに書かれている情報をそのまま掲載しません。確認の記録として「通販サイトの特定商取引法表示で確認した」と出典に残し、掲載するのは店舗として公開されている情報だけにしています。
確認に使った資料を出典として書くことと、その資料の中身を転記することは別です。ここを分けておかないと、確認するほど個人情報を広げることになります。
自分の側でどう扱っているか
運営しているサイトのうち、直接の物販をしているものはありません。書籍は外部の販売プラットフォームを通しており、購入や返品の条件はそちらの定めによります。そのため、当サイトには特定商取引法に基づく表記を設けていません。
ただし、運営者が誰で、どう連絡できるかはプライバシーポリシー・免責事項に明示しています。法令上の義務とは別に、情報サイトとして名乗っておくべきだと考えているためです。
この記事の元
この記事は、「すいむいさんぽ」の店舗情報の裏取りで実際に起きたことから書き起こしています。 一般論としての資料解説ではなく、この運営で当たった範囲のことだけを書いています。