静的サイトで出典主義をやるための設計

制作ノート

出典と確認日をページに出し続けるには、データの持ち方をそれ用にしておく必要があります。

「出典を書く」と決めるのは簡単ですが、数百ページで守り続けるのは別の話です。書き忘れが起きない形にしておかないと、少しずつ抜けていきます。

出典と確認日を、文章ではなく項目にする

本文に「(○○調べ・○月確認)」と書く形にすると、書く人の裁量になり、抜けます。そこで、データの側に出典と確認日の欄を作り、項目として持たせるようにしました。表示は欄の値から自動的に組み立てます。

こうすると、欄が空のまま公開されているかどうかを機械的に調べられます。文章に埋め込んでいたら、この確認はできません。

空欄を、空欄のまま出せるようにする

設計で悩んだのは、確認できていない項目の扱いです。埋まっていない欄を隠すと見た目は整いますが、読む人には「無い」のか「調べていない」のか区別がつきません。

そこで、未確認は未確認として表示し、集計にも数として出すことにしました。駐車場の料金であれば、無料が何件、有料が何件、未確認が何件、と並べます。未確認の件数が見えることが、そのデータの信頼度の説明になります。

JavaScriptを出さない(サイト群の原則)

沖縄の観光・生活情報サイト群は、原則としてJavaScriptを出力しません(検索機能など一部の例外を除きます)。理由は速度だけではありません。

このポータルも、当初は同じ方針で作っていました。JavaScriptの出力はゼロで、配色の切り替えもスクリプトではなく閲覧環境の設定に任せていました。

広告のために、この方針を手放した

2026年8月28日、広告配信サービスを導入する決定にともない、この方針を終えました。追加したのは配信用のスクリプト1本だけですが、「JavaScriptを出さない」という言い切りは、もう成立しません。

この変更を、記述を消して無かったことにはしませんでした。消すと「最初から広告のことは考えていなかった」ように読めてしまうからです。実際は逆で、設計を始めた時点から「広告を実際に貼る時点になったら、ここを直す」という判断を先に書き残しており、今回はその約束を果たしただけでした。先送りにしていた変更が実際に来た、という記録のほうが、この記事の主題(設計判断をどう運用するか)には合っています。

この変更で失ったものと、まだ残っているものを分けて書いておきます。失ったのは「表示される内容が生成された時点で確定する」という保証です。広告配信スクリプトは実行時に外部から広告を取得するので、ページの見え方はもうビルド時点だけでは決まりません。残っているのは軽さと壊れにくさです。動く部品を1つ足したぶん壊れる箇所は増えましたが、サイト自身のロジックは今もスクリプトを持たず、静的なままです。

維持コストを設計に含める

個人で運営している以上、維持できない仕組みは作れません。年に一度書き換えが必要なページを増やすより、計算で自動的に更新される形にする。数を増やすより、増えた分を維持できるかを先に考える。

書けるテーマが尽きたと判断した時点で、本数を増やすのを止めたサイトもあります。増やし続けることを目的にしないというのも、維持を前提にした設計の一部です。

この記事の元

この記事は、「おきなわビーチナビ」「みはまさんぽ」「まちぐゎーさんぽ」の制作で実際にやったことから書き起こしています。 方針そのものは運営方針にまとめています。

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